4/10(土) 道具と機械

突然だが、はいどさんという友人がいる。リンク集の方には「ぎんいろSSさん」という名前で、DUCATI俺流というページにリンクを張らせてもらっている。

友人、などと勝手に書いてしまったが、実は面識はない。実際のところは掲示板などでお話したり、ホームページを見せてもらっているだけだ。ぜひ一度、直接会って、ヨタ話を(バイクに限らず)してみたいのになぁ、と常々思っている、そんな人だ。

「ぎんいろSS」という名前のとおり、神龍号という名の銀色の DUCATI 900SS に乗って おられたのだが、ちょっと前に赤い DUCATI ST2 に買い替えて、「スライム観察日記」をご自分のホームページで開始された。なぜスライムなのか、というと、どうやらオレが、ST2 って顔がスライムに似てますよね、などとホザいてしまったから、らしい(笑)

が、あろうことか、スライムが盗まれてしまったのだ。どうやらプロの窃盗団らしい…もう出て来ないだろうな…… オレもバイクを盗まれたことがあるが、もうなんというか、心にポッカリ穴が空いたような、寒い気持ちになったことを思い出したよ(もらい泣)

だが、本当にオレの心の琴線に触れたのは、実はここからだ。失礼ながら無断引用しちゃうと…

「もっとも、愛着のあるマイマシンを盗まれて傷心落ち込み、というわけではない。バイクはぼくにとってとても大事なものだが、それはバイクに乗る生活をぼくが心底から愛しているからであって、バイクに何かを投影して倒錯的愛情を注いでいるからではない。そういう人は少なくないと思うし、かつてはぼくもそうだった。 」

コレだ。コレだよ。オレもまったくそう思う。オレはもちろんバイクが好きだが、それは、長々と説明するならば「バイクのメカニズム、設計者のネライを汲み取り、操安を練ったテスタの意図を読み取り、自分の入力に対するバイクの出力の妙を発見し、操作することが好き」とでもなろうか。

バイクを選ぶときも、そういう観点でしか選ばぬ。フィーチャーのためのフィーチャー、カタログを飾るためだけのパワー競争や車重競争になど何の興味もないのだ。自分の操作にいかに満足できるか、そこにしか焦点は当たっていないのだから。だが、コレがなかなか通じないんだなぁ。はいどさんの文を見て、胸が洗われる思いだ。

たかだか5kgや10kgの軽量化がなんだというのだ。5ps や 10ps のパワーアップがなんだというのだ。そりゃもちろん違いはあろう。でもねぇ。200マイル出るって? あぁそう、がんばって出してくれ。ハチ公みたいに座ってるだけなら、何に乗ったところで一緒だと思うけどね。

バイクなんてしょせんは趣味の物だから、そういう方向に熱を入れるのは否定しないよ、うん。だから、ギミック満載の新型車みたいな方向に興味はないけどバイクは好き、というオレの存在も認めてくれよな(笑) 放っておいてくれよ、なんて、ずっと思ってたよ。

はいどさんも書いているが、バイクはしょせん道具だ。遊び道具。だが、ゲンミツにはオレは道具と機械は違うんじゃないか、と思っている。機械というのは、使う者を選ばない、というか誰が使っても必ず同じ結果を出す代物で、道具は使い手を選ぶ。ヘタクソが使えばロクな結果を出さないが、上手い人が使えば、これは!と目を見張るような結果を叩き出す、という違いだ。

自動販売機などは、決まった金額をブチ込めば、老若男女を問わず品物が出るだろ? ヘタクソだから品物が出ぬ、などということはまずない。だがハンマで釘を打つとなるとどうだ。スカッと打ち込むヤツも入れば、釘を曲げちゃうヤツもいるだろう。

オレは、バイクという道具をいかに操作できたか、を満喫したいのだ。道具を崇め立てたいワケじゃないんだよ。

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