10/06(火) 殿様の焼き魚

落語だか時代劇で見たか、なんだったか忘れたが、殿様ってのは暖かい焼き魚を食べたことがないらしい。毒見だのなんだのに時間がかかる上に、殿様のいる所までが遠く、持っていく間に冷めちゃうんだそうだ。

実は、オレも家で焼き魚を食べるときは、かなり殿様な状態だったりする。カリフォルニアでもオレゴンでも、一応は日本の食材を買える店があるのでアジの開きなどを買ってきては定期的に食べているのだが、知ってのとおりウチには3匹の猫たちがいる。中でも特にマチエとウリは焼き魚に目がないので、焼いている最中からニャ〜ニャ〜と催促がすごいのだ。

焼けた魚をハニーが食卓に運んでくると、すでにその足にスリスリ攻撃を繰り出し、ヘタすると食卓に届くまえに皿から落しそうになる。無事にオレの目の前まで来ても、その時にはすっかり両サイドをマークして、まるで狛犬ならぬコマ猫状態(笑)

結局、猫の視線に耐えかねたオレは、アジの開きの身をほぐし、フ〜フ〜と冷してから左右の猫たちに順番に食べさせてやる始末だ。猫たちがすっかり満足し、顔洗いを始めると、やっとオレはお役御免となって焼き魚にありつけるのだが、その頃にはすっかり冷めている、というワケだ。こうしてあらためて書いてみると、ちっとも殿様じゃないでわないか。たしかにいつも冷めた焼き魚を食うハメになる点は共通だが、オレの実体は単なる下僕だよなぁ(笑) まぁいいけどさ。カワイイから。

そうそう、焼き魚といえば、こっちの猫ってマジであんまり魚を好まないようだね。ウチのパティオに近所の猫がタムロってるってのは以前日記に書いたけど、カリカリのドライフードはどの猫も皆よく食べるくせに、焼き魚の残りなどをやっても見向きもしないんだぜ。面白いよねぇ。やっぱり小さいころからの食習慣ってヤツなのかな。

最近ではすっかり定期的に来るようになったアライグマも、ドライフードが一番好きみたいで、それ以外のもののときは来ないし。

このアライグマ、いつも2匹で来るのだが、最初思っていたようなカップルではないようだ。どうも親子みたい。母親と息子といった風情だ。アライグマって英語だとラクーン(Lacoon?)っていうそうなので、小さい息子のほうをラク太郎、大きな母親のほうをラク恵などと勝手に命名した。ラク太郎といっても落語を話してくれるわけではないが(笑)

初めてウチに来たときには、1階の照明を全部消した後にコソッと来てはエサを食べていて、オレがビールなどを取りにキッチンに行って鉢合わせすると、ビックリして逃げてしまったものだが、最近ではもう慣れてきて、照明があろうが香織が騒ごうが平気でエサを食べている。おかげでアライグマの食事の風景を至近距離からじっくり見られるようになったのだが、それがすっげぇカワイイのだ。

だってさぁ、アライグマって手を使って食べるんだぜ。ネコ用のドライフードが入ってる皿の前に腰をおろして、皿から両手でヒョイヒョイ取って食べるんだ。わははは。

今日は来るかなぁ。

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