12/08(火) 壁と机じゃ大違い
最近、パソコンを使っていると、横から香織がちょっかいを出してきて落ち着かない。ねぇねぇ何やってるの?
ネコの写真出してよ、ピングーの歌が聞きたいなぁ、って、日記書いてんだよオレは。ダディは忙しいの。あっちで猫と遊んでなさい。
とはいうものの、あんまり邪険にするのも可哀相なので、ペイントブラシなぞを使ってネコの絵を描いてやったらもうお大喜び。ほっとくと延々なにか描いている。マウスの使い方もすぐ理解した。色の選び方、消しゴムの使い方も教えたらすぐに覚えてしまった。子供ってすげぇなぁ。でも手が小さくて、普通にマウスを持てないので、横からワシ掴みにして、親指で左ボタンを押している(笑)。どこかに子供の手に合わせた2まわりくらい小さいマウス売ってないかな。と思って探しに行ったが見つからなかった。
で、マウスはなかったけど、Jump☆Start Toddlersという子供向けの教育ソフトを買ってきた。これはシリーズ物の教育ソフトの一番初級のヤツで、1歳半から3歳までが範囲になっている。だから、教育、などとと言っても、ABCを覚えよう、とか、DogだのCatだのといったレベルだ。
もちろん、この手のソフトを使ったところでABCなぞ覚えない子は覚えないだろうが、マジになって憤り、ウチの子は覚えないぞ!などと製品サポートに文句を言ったなら、マイクロソフトあたりなら、あなたのお子さんは4歳なのでサポート対象外です、とか言われそうだよな(笑)。だけど、香織はまだ、英語を読むことも聞くこともサッパリなので、やはり3歳以下の一番初級からだろうと思ってさ。
そうしたら、まぁこれが大ハマリ。毎日、幼稚園から帰ってくると立ちあげて遊んでいるそうだ。確かに見ていると大人でもそれなりに面白い。これは思うに、我が家にもついにMacを導入する日がやってきたということだな。G3の良さげなヤツも出たし。そのうち見に行こう。
なぜMacかというと、オレは毎日普通にWindowsを使っているけど、実はWindowsを自分の子供に使わせる気には全然ならないんだ。メシの種だから使っているけどね。会社でキリの良くないときはファイルを持ってかえってきちゃう時もあるし、しょうがないからWindowsを置いているってだけで、AT互換機とか自作して遊ぶなら、OSR2が手に入らないとかなんとか不毛なことを悩んでないで、とっととフリーのLinuxでも入れると思うし。あればあったで、メールの読み書きや日記書きに使えるから使ってるが、とても新規に自腹で買う気にはねぇ。その点Macなら買ってもいいなぁ。インテリアにもなるし(笑)
最近は死語と化してるのか、とんと聞かないが、かつてデスクトップ・メタファという言葉があった。机に座って仕事をしている人を想定すると、ノートだの電卓だの定規だのといった細かい道具を机に置いているよね。で、書類は引き出しに普段は入れていて、必要に応じて出し入れする。中にはCDプレーヤを置いてお気に入りのCDを聞きながら仕事する人もいるだろう。手近なところにくずかごなどもあり、書き損じた紙は丸めてポイだ。こういった机の回りのもろもろを抽象化し、表現することによって使いやすいインターフェースを提供する、といったような考え方のことだ。本当はもっと深淵なのかも知れないが、オレとしてはこんな程度に理解している。
で、こういった考え方でOSそのものをデザインしているか、という観点からすると、もはやWindowsなんぞ見る影もない。Macの圧勝だと思う。そもそもWindowsなんて今でこそOSというカテゴリに分類されているが、それはせいぜいNTからで、Win95なんて本当にOSなのか?所詮はDOSに乗ってるシェルなんじゃないの?まぁ厳密にOSとは?などと始めると大騒ぎになるのでやらないが、オレはWin95をそう捉えている。
Windowsの発祥なんて、名前にもあるとおり、窓だもん。壁紙があって、窓を通して覗いているさまを抽象化している。大昔、DOSがPCのOSとして君臨していたとき、一度に一つのアプリしか動かないのを不満に思っている人は大勢いた。プロセッサを始めとしたPCのパワーアップに伴い、なんとかしろよ、Macを見てみろ>ビル、という声は無視できぬほどに高まり、ビル・ゲイツ自身が実はMacのインターフェースをいいなぁアレ、僕のPCにも欲しいよ〜といって出てきたのが、出来損ないのWindows
2.xだ。ひとつの窓にはアプリがひとつあり、違う窓には違うアプリ。でもって、一度に複数の窓が開けるから便利でしょ?ねぇ便利でしょ?というシロモノ。Win95なんて、そこから場当たり的にリッパになってきた成り上がりだ。増改築を繰り返してかえって住みづらくなってしまった家のような趣があるよ(笑)。いい味出てるぜ>ビル
あるアイコンを掴んで持って行き、どこかに落とす。ドラッグ&ドロップというヤツだ。こうすると、対象となったオブジェクトが、移動したり複製されたりする。だけど、その振る舞いが、物や場所によって違うのって変だと思わないか?何も考えずにコレをすると、同じドライブの中なら移動になり、他のドライブなら複製になるとかさぁ。日常からは推定できない、Windowsだけでの常識、みたいなのがたくさんある。ショートカットってのもスゴイよな。アレは一体なに?
確かにいつも使う道具は机の上に出しっぱなしにしておくのが普通だろう。だったらホンモノを机の上に置けよ。机の上の定規を手に取ったら、実はそれはホンモノの定規じゃなくて、定規のフリしてるお化けなんだよ、なんて子供に説明できないぞ(笑)。しょせん壁に開けた窓だったんだから、途中から机のフリするなよ>ビル
壁にゴミ箱がくっ付いてる家なんて普通ないぞ。
これから10年くらいして、香織が中学生くらいになったとき、大きくパラダイムは移り変わっていて、もう全然違うユーザインターフェースを持つコンピュータが市場を席巻しているかも知れん。そんな時代になって振り返っても、Macはきっと、アレはアレで当時はいいマシン(というかOS)だった、と思えるかも知れんが、Windowsはどうだろう。マイクロソフトの支配がなくなったら、ボロクソ言われるんじゃなかろうか。子供には使わせたくないよなぁ(笑)
あと、Macって、ユーモアがあって可愛いよね。クスッと笑えるようなさ。それが、同じようにWin95でアニメーションなんかを使ってあっても、ドラムなんか叩いてないでさっさとしろよこの野郎!とか懐中電灯なんて振ってないでとっとと見つけろボケが!なんて、逆に頭に来るのはなぜだ(笑)。例えばファイルをまとめて削除したとしよう。ひよひよ〜ってファイルがごみ箱に移るでしょ?ああいうのを見ても、ちっとも可愛いとは思わんし、逆に、そんなお愛想はいいからとっとと消しやがれ!と思ってイライラするのはオレだけ?
DOS窓がいまだに現役で、むしろないと困っちゃうってのも考え物だ。香織がアイコンをダブルクリックすると何か起こるってのを覚えて、クリックしまくったときに、お父さん、この真っ黒い箱はなに?って聞いてきたら、オレはなんて答えりゃいいんだい?教えてくれよ>ビル。成毛くんでもいいぜ(笑)
|