9/04(木) 本当に進歩してるのか
なんか、オレって最近(というかもうずっと前からかも知れんが)、枯れちゃってさ。なにって、新製品とか新技術といったモノに対する知的好奇心ってヤツが。エンジニアとして、もうダメなんだな、きっと。末期的症状かも。今までしてきた仕事も、Innovationとは縁のない単なるImplementが主だったから、なおさらなのかも知れぬ。
オレが初めてコンピュータ(と言えるか?)というものに触れたのは、たぶん、小学生の高学年の頃だったと思う。bit-innというNEC系のショップでTK-80というi8080を積んだワンボードのヤツだ(^-^;)
鉄腕アトムのコミックスを全巻揃え、将来はロボットを作る博士になって世界の平和を守ろう、と思っていたオレは即座にハマったね。
入力は電卓そのもののテンキーのみ。表示はLCDだ。8セグメントってヤツね。だけど、すでにそのころ舶来物だと、コモドール(スペル忘れ)のPET2001とかTandyのTRS-80とかはディスプレイに表示するのが前提で、フルキーを備えていて、今のPCと大差ない構成をすでに持っていた。それからすぐに出たApple
IIなんて、カラー表示ができて、しかも激アラながらも「ぐらふぃっく」という機能さえ持っていた。
今の若者が外車に憧れるのと同じような視線を、きっとオレはそういったハイエンドなマシンに注いでいたんだと思う。まぁハイエンドったって、もちろん8bitのプロセッサだし、クロックも1MHz(^-^)とかで、メモリもRAMが16K(メガじゃないよ、ケー)なんていう、もう笑うしかないほどの低性能だったんだけどね。
それから20年もの月日が経って、プロセッサは猛烈な処理速度を達成し、メモリも冗談みたいに増えて、当時ならカローラくらいの値段だったハードディスクも、今じゃソープ一回より安い。だけど、そのオニのような性能の向上が、コンピュータの便利さの向上に、本当に生かされてるんだろうか…
HPを立ち上げ、毎日のように駄文をアップしているオレが言うのもなんだが、internetって、本当にそんなに世の中を便利にしてくれたと思うかい?確かに、新聞を取らなくてもTVを見なくても情報には事欠かなくなったし、地図を調べて道順を確かめたりもできる。これからもできることは増え続けていくだろう。
だけどそれって、もともとwwwがなかった時代には、他の方法でやってたことばかりだろ。wwwもIRCもなく、mailもMIMEどころかiso-2022-jpも策定されてなくて、nntpの配送すらおぼつかなかった時代、JUNET時代とでも言おうか、そのころでもすでにnetworkは便利だったし、そういう便利さって今でさえたいして変わってないよな。だから、push技術でコンテンツを自動配信!とか言われても、あぁそう、ふ〜ん、そりゃすごいね、うん。
主導権争いが大変だろうが、まぁがんばってくれ。
としか思えぬ。
本当に使いやすくて品質が良いものが必ずしも「標準」になっているワケじゃなくて、やれ笑ってお仕事だの、自分をバージョンアップだのと、いかにも良さげ、というだけで実はしょ〜もないもんが、客と遠く離れたところで起きている主導権争いに勝ち続けてきただけで、あとは利権に群がるヤツらが寄ってたかって構造化して腐っていく、っていう図式は住専破綻と大差ないように思えてさ。これはOSでもブラウザでも同じ事が言えるよ。
その昔にも、パソコンが一世を風靡した時があったんだぜ。初代PC98が出たくらいのときかなぁ。もう、なんでもできる魔法の箱ってな扱いでさぁ。買ったはいいが、何の役にも立たなかった、って人がたくさんいたと思うぞ。いつぞやのWindows95騒ぎも一緒だろ?
来て見て触ってなんて言われて買ってみて、internetだwwwだなんてやってはみたものの288の公衆回線で、wwwはもはやworld
wide waitingと化して電話代ばかりかかり、えっちなJpegを集めるのにも飽きちゃったぜって人、多いんじゃないの?
特殊工具を誰もが使えないってのはわかるよ。最初から技術者なり専門家なりを想定して設計されたものなんだから。だけど、本来PCなんてもんは、ハサミや消しゴムと同じで、誰にでも使える道具であるべきだろ。だけどゲンジツはどうだ。万人向けであるべきPCごときを使うために、ユーザが自ら専門家にならねばならぬ。
今年はPCの売れ行きが伸びてないんだってさ。当然だよな。役に立たないんだもん。一家に一台なんてウソつくなよって感じ。
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