9/2(火) スピード

子供にモラルを要求するくせに、オレってヤツは、交通量の少ない峠道なんかで、警察が見たら即逮捕か、というようなスピードを出して走る。いかんよなぁ。人間ってヤツは他人にはキビシイが自分には甘いという、弱い生き物だねぇ。

こっから先は言い訳モードに切り替えね。

カッ飛ばしたいならサーキットへ行け、というのはわかる。が、サーキットでならもちろん、まったく前後にクルマの見えない道、とくに山深い観光道路なんかを通過するぶんにはあんまり問題にならないよね、ね、許してね>世間様 という理由で突っ走ってる。

人里離れた峠道なら、もしもオレがブッ飛んで死んでも、迷惑をかけるのはグシャグシャになったオレの死骸を片づける人と、ひん曲がったガードレールを直しにくる人、あとはガラクタになったバイクを引き上げに来る人、くらいだろう、ということで目をつぶってる。

実際、町中ではオレなんてジェントルなもんだぜ。一緒に走ったことがあるヤツらならうなずくと思うが、まず制限速度+10キロ以上は出さない。第三京浜だって、出しても120までだ。ウィンカーもキッチリ出すし、渋滞しても、よほどのことがない限り、クルマと一緒に並んで待ってる。

なんでそういう走りになったかというと、今までの経験から、バイク乗りが、自分の操作ミスや、整備不良以外の原因で死なないためには、

クルマを運転しているヤツはみんな馬鹿だから、
何をしでかしても不思議はない。

と、バイクに乗っているときは考えるようにしてるからだ。

そりゃオレだって、限定解除してFZR1000を買ったばかりの頃は無茶をしたさ。夜中の第三京浜で最高速チャレンジなんてのもよくやった。メーター読みで280キロを超えるスピードが、本当に見通し距離で出ちまう。200キロくらいならアクセルをクイクイ、であっというまだ。おっそろしいよなぁ。

そうこうするうちに、オレも結婚し、父親になり、カメを背負って走るようになった。カメってのはなにかってぇと、脊椎パッドだ。ライダースクラブの通販で買った。今では仲間うちみんなに広まり、色とりどりのカメがいる。真夏でも、最低でも皮パンツにブーツ、カメを背負ってジャケットを着て走ってた。バイクを売り払って、ほとんど手ぶらで渡米したオレだが、ツナギは置いてきちゃったけど、ブーツ、皮パンツ、メット、カメの4点セットは未練がましく持ってきたんだ。

クルマで通勤しててつくづく思うよ。フリーウェイのだだっ広い道で、アクセルを床まで踏んだところで、スピードメーターの動きは呆れるほど緩慢だ。80マイルも出す頃にはハイハイ、わかりましたよ、って気になって、クルマの流れに紛れ込むんだ。

アクセルを開ければ、クルマがバックでこっちに向かって爆走してくるように見えたのに。スピードが恋しいぜ(T_T)

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