3/4(火) 部屋の中で靴はいちゃいかんよ

日本なら、どんなに小さいワンルームにだって玄関があるよねぇ。だけど、こっちの家には玄関っつ〜もんはない。あるところにはあるのかも知れんが、いまだお目にかかったことがない。今の部屋も、ドアのところまでカーペットが敷き詰めてある。

だけどなぁ。やっぱくつろげないよね、靴はいたままじゃ。で、いつも帰ってくるなり靴を脱ぎ、靴下もポイポイっとソファに捨てて裸足になっては床に座ってビールなぞを飲んだりしている。

香織がこっちに来て、家の中で靴はいてるオレ見たらきっと、「お父さん、おうちの中で靴はくとお母さんに怒られるよ」くらいカマすだろうな。なにしろ香織は床が好きだし。やっぱり生まれたときから横に猫が寝ていたのが影響しているのかも知れん。お絵描きするのも床。おやつを食べるのも床。テーブルがあるのにねぇ。こっちで暮らして行けるのだろうか(^-^;)

そうそう。床といえばホットカーペットだよなやっぱり。ウチでも愛用してる。冬なんてヒドイもんだ。なにしろ家族全員がホットカーペットの上でデロデロしてなにもしない。せいぜい2畳程度の面積の上に、ハニー、香織、猫3匹でひしめき合っているのを見るにつけ、ちょっと空しい。

わかるよそりゃ。ポカポカして気持ちがいいのはさ。だけど、せっかく2階建ての一軒家に住んでるんだから、他の空間も使ってくれよ。

あと、日本であまり一般的でないものとしては、やっぱり暖炉だろ暖炉。今の部屋にもニセの暖炉がついている。Fire placeなどというらしい。なにがニセかってぇと、薪を使って火をおこすワケじゃなくて、なんとガスが配管されてたりするのだ。わはは!笑っちゃうでしょ?そうまでして暖炉が欲しいのかって思うぞ、オレは正直いって。

しかも、このニセ暖炉はすっげぇ凝ってて、火もガスっぽい青白い炎じゃなくて、ゆらゆらとまたたく真っ赤な裸火に見えるんだよね。メラメラ燃えてて本当にそれっぽい。その上、ちゃんと木をくべてあるように見せかけるために、コンクリートの薪がそれらしく置いてあるっつ〜からもうこっちの人の暖炉好きってのはDNAから来てるとしか思えん。

「コンクリートの薪」てのは、公園なんかでよく池の回りを囲う手すりなんかに使ってるアレだ。木目なんかあって、すっかり木のフリをしているけど実はコンクリというね。

で、このニセ暖炉なんだけど、惜しいことに音がしないんだな。パチパチ…とか木のはぜる音がやっぱり暖炉には欠かせないよねぇ。だけど、単にシューというガスの音がするだけなんだ。しかも、火をつけたまま忘れるのを防止するためだろうけど、スイッチがタイマーと連動してるダイヤルだったりするのがもっとイカン。

会社から帰ってきて、靴脱いで靴下脱いで、ニセ暖炉のダイヤルをグ〜っとひねるでしょ。でもって、床に座ってビールを飲む。ま、ここまではいいわな。すると、どこからともなく変な音が。

チッチッチッチッチッチッチッチ… 思わず時限爆弾か?と思って伏せてしまいそうになるぜ。そう。その通り。実はニセ暖炉のタイマーの音だったのだ。くつろげないよねぇ。

風呂もなぁ。洗うところと浴槽が別れていないのはまだ許すとしても、あのバスタブの浅さだけはいかんともしがたい。体全部をお湯に浸けようとしたら、もうほとんど水平だよ水平。マジで。仰向けで寝そべるようにしてムリヤリ日本風にしても、ちんちんが水没しねぇぞ。どうすりゃいいんだ。潜望鏡じゃないんだからさぁ。おとなしくお湯の中にいろよって感じ。

とかいいつつ、やっぱりニセ暖炉を燃やし、ビールを飲み、水平に風呂に入る毎日だ。わはは。

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