$ ls /usr/share/config-sample/mutt
してみると、いくつかのファイルが見えるはずです。たとえば
$ head -1 /usr/share/config-sample/mutt/dot.muttrc
とすると
# ~/.muttrc
と表示されるので、そのファイルの本来の位置がわかります。
$ cp /usr/share/config-sample/mutt/dot.muttrc ~/.muttrc
としてください。 あるいは、
$ echo "source /usr/share/config-sample/mutt/dot.muttrc" > ~/.muttrc
としてください。 これで、日本人が大きな不便を感じない程度の設定になります。 さて、ここで設定に合わせたフォルダやファイルを作成しておきましょう。
$mkdir -m 700 ~/{Maildir,Mail}
$mkdir -m 700 ~/{Maildir,Mail}/{cur,new,tmp}
$mkdir -m 700 ~/tmp
$touch ~/.alias
$chmod 600 ~/.alias
という手順で良いはずです。
しかし、まだ自分に合わせた設定が必要ですので、
編集や追加というカタチで、~/.muttrc
内の
realname
などの変数を書き込まなくてはなりません。
具体的には
set realname="YAMADA Taro" set hostname="home.yamada.jp" set pop_host="pop://yamada@pop.server.com" set pop_authenticators="apop:digest-md5:gssapi:cram-md5" set from="yamada@server.com" set pgp_sign_as="0xDEADBEEF" set smime_sign_as="abcd0123.0"
とかいうことになります。 これは YAMADA Taro さんが home.yamada.jp 上で Mutt を利用している例で、 pop.server.com という APOP のサーバの yamada というアカウントのメイルを 毎回パスワードを入力して取得することになります。 また、送信については
From: YAMADA Taro <yamada@server.com>
となるように設定してあり[3]、 PGP は 0xDEADBEEF という秘密鍵を署名に使い、 S/MIME は abcd0123 というハッシュ値の鍵を使います。
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メモ |
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「SMTP の設定がないじゃん」と思ったかもしれません。実際、ありません [4]。 Mutt はもともと SMTP を話さず sendmail を直接呼ぶので、 postfix や nomail 等[5] がローカルに必要なのです[6]。 |
ほかには editor
や sendmail
や
index_format
といった変数をいじったり、
set 以外の、color,
macro, bind
というようなコマンドを使ったりしていろいろと設定できます。
その内容については
$ man muttrc
$ less /usr/share/doc/mutt-*/manual.txt
$ less /usr/share/doc/mutt-*/manual_ja.txt
を読めばわかりますし、 日本語パッチを保守してくださっている滝澤氏による Linux Japan[7]の記事 「百万人の Mutt」も役立つはずです。連載中に読めなかった人も、 なんと、バックナンバの PDF が 氏のサイトからダウンロードできます。
[3] ただし、from
変数や reverse_name
変数などが絡んで
複雑な場合もあるので、From を確実に指定したければ my_hdr
を使うのが良いかも
[4]
Momonga では未対応だが、
libesmtp
を使った SMTP 対応パッチもあるので、
それを使えば SMTP サーバにアクセスすることもできるようになる。
自分の Mutt が libesmtp
にリンクしているかどうかは
ldd でわかるはず。
設定については、
set smtp_host=your.server set smtp_port=25
という感じであろう。
sendmail と切り換えるための変数はなさそうなので、
smtp_host
を設定してあると
sendmail
が無効になる仕組みと思われる。
注意して使うように。
[5] 引数を宛先とみなす MTA コマンド
[6]
sendmail
や関連する変数のデフォルトはたぶん
set envelope_from=no # sendmail に -f を付けるかどうか set sendmail="/usr/sbin/sendmail -oem -oi" set sendmail_wait=0 # 負数はバックグラウンド実行という意味 set use_8bitmime=no # sendmail に -B8BITMIME を付けるかどうか
となっているはず。 ほとんどの場合、編集する必要はないであろう。
[7] 休刊した