なんとかインストールでき、sendmailも動き、SMTPを喋ってくれる試験サーバとしての役割は果たしてくれたが、とうとうXは立ち上げられずじまいだったなぁ。使ったマシンがCompaq 4/33iとかそんなようなデスクトップの小さいヤツで、ビデオのチップが当時のXFree86ではサポートされていなかったのだ。いや、ネバればいけたのかも知れないが、kon が動いて日本語のメールは読めたし、マシンルームのラックの隅っこに突っ込んでおいただけだから、当時はそれでよかったんだけどね。
で、最近になって、ふとLinuxをまた使いたくなって、10数年振りに自前で買ったマシンにSlackware 3.0を入れた。Xも動いた。が、ベースにしたインストール本がやや古く、巷にはSlackware 3.4が既にリリースされていたんだ。それを半年ほど使った。その時の覚え書きはこっち。
だけど、やはり悲しいかな、Slackwareっていかんせん古くさい気がして、パッケージの管理機構などがしっかり実装されているDebianかRedHatに乗り換えることにしたのが6月末。今でこそDebian 2.0(hamm)はコードフリーズされているが(日本語パッケージを集めたdebian-jpはまだ)、6末の時点ではまだβで、しかも手軽に手に入るCD-ROMなどのメディアがなくて、ftpでかき集めるのはちょっとなぁ、と思ったのと、Debianって、ちょっと教条主義っつ〜か、完璧を期するあまり、いい意味でのLinuxのいいかげんさ、ズボラさが失われ、呼吸困難になりそうなのでちょっと先送りすることにした。
まぁ、Debianはいずれ、UnixUser誌とかLinux Japan誌にでも付録で付いてくるだろうから、その時にでも入れてみるか、てなワケで、商用LinuxのRedHat 5.1をオーダーした。
NetNewsなんかをつらつら眺めていると、意外に誤解している人というか知らない人が多くてビックリするんだけど、RedHatのパッケージ形式であるRPMだって、きっちりと依存関係を見ているし、もちろんアンインストールだってできる。ソースを固めたパッケージもあるし、そういったソース・パッケージからバイナリのパッケージをコマンド一発でmakeすることもちゃんとできるんだよ。
どうも、RPMはただのtar ballなどと大差ない、簡易インストール用のパッケージ形式と誤解されがちだが、使ってみると、コレがなかなか他機能かつ洗練されていて非常に気に入ってしまった。あ、そうそう、アップグレードももちろんコマンド一発だ。ftp経由でもできる。常に最新のパッケージに保つことはそう難しくない。
インストールそのものは特に難しいこともなくて、NetWareのadminみたいな、赤と青のキャラクターベースのインストーラでへこへこ適当に選んでれば、まぁ大抵のPCでは動くだろう。ただ、あまりにもヘンテコなデバイスをブラ下げていたり、比較的新しい、例えば今年になってからリリースされたようなディスプレイ・アダプタなんかを使おうとすると、その検出に失敗するだろう。
そんなときは、そのデバイスを外してもう一回だね。そのデバイスがディスク関係だったら?ご愁傷様。なんでそんなカード選んじゃったの?というしかない。Xのインストールまで無事に進んで、自分の使っているカードが出てこなかった場合は、最悪VGA16色でいいから、とにかくXを入れておこう。
RedHatのインストーラで、使うパッケージを選択する画面があるんだけど、あれはちょっと気に入らない。パッケージが分類されていはいるんだけど、それが単なる表面的なカテゴリで分けられているため、依存関係が推測できる(ないしは明示的にわかる)ようにはなっていないんだ。だからパッケージを自分で選ぼうとすると、このパッケージは一体なに?などと思いつつ、ヘルプを駆使して選択したところで、さぁ実際にインストール開始!と思うと、やれアレが足りねぇのコレが足りねぇのと、何度も選択しなおすハメになる。
それぐらいかなぁ気をつけるのは。インストールがとりあえずできてしまえば、/tmp/install.log というファイルに、インストールしたパッケージの一覧が残るから、取っておくと他のマシンに入れるときの参考になるかも。これをインストーラに食わせると、同じパッケージを黙って入れてくれたりすると嬉しい、かもね。
で、これでやっとカーネルの再構築ができる。RedHatでは、カーネルや、カーネル・モジュールも全部バイナリのパッケージで提供されていて、まぁ言ってみれば、RedHat社オススメのカーネル設定、というのをそのまま使うぶんにはなにもカーネルの再構築などする必要はない。実際、RedHatに最初から入っているカーネルっていい味出してて、IPマスカレもそのままでできるし、automounterもサポートされてた。ほとんどのオプションがモジュールとして提供されていることもあって、マジで再構築しなくてもいいかも知れぬ。
とはいえ、いろいろな経緯でオレはあんまりカーネル・モジュールってのを使わないようになってしまっているので、やっぱり再構築することにした。Linux Boxを何台も何台も管理する必要があって、みな似通ったマシン構成で… なんて立場の人には、このRedHatのカーネル提供のやり方ってのはとっても便利なんだろうけどね。
あ、そうそう、それと、インストール直後は、なんと今時 RedHat は shadow password じゃなかった。ユーティリティの類はすでに入っているので、とっとと pwconv で shadow password 化しよう。あと、sudo が標準では入って来ないようだ。これってなんとなく、ダラダラと常に root で作業してしまい、一般ユーザなら消さんでも済んだファイルを消滅させて泣くユーザを生産しているような気がしてちょっとイヤ。
RedHat の ftp サイトや、その他の手近なミラーからsudo-2.5.4-2.i386.rpmを取ってきて、入れておくのをすすめるね。でもって、visudo で /etc/sudoers を編集して、たとえば hogera ALL=(ALL) ALL なんて書いておく。
すると、ユーザ hogera が、一時的に root でしか書き混みできないファイルを編集したい場合に、例えば sudo vi /etc/lilo.conf などとすると、hogera のパスワードを聞いてくる(rootのパスワードではないので注意)。ここで正しいパスワードを入れると、vi /etc/lilo.conf だけが root 権限で処理され、vi を閉じると一般ユーザに戻ることになる。
ずっと root でいるよりもはるかにいいと思うんだけどな。そらもちろん、この vi の中からshell開いたり、sudo rm -rf * とかカマせば同じなんだけどさ。必ずミスをしでかすであろう愚かな自分というユーザに対して、極力一般ユーザで普段は作業するようにクセをつける、というのは、X Window がどうの、internet がどうのと言う前の、基本中の基本だと思うんだが。
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