今年から、衛星放送はWOWOWじゃなくてNHKに変わってしまった。まぁ全戦全クラス放送してくれるのでとりあえずガマンはするが、あの放送のやりようはなんなんだ>NHK 頼むぜ。
まず、不必要に国籍ばかりを持ち出すな。イタリア勢とか日本勢とか簡単にひとくくりにするんじゃねぇよ凸(-_-#) 一人一人、自分自身のために戦ってるんであって、お国のためにやってるヤツなんざ、ただの一人もいねぇんだからさ。チームの名前とライダーの名前、マシンの種類、メインスポンサーくらいは暗記しとけよな。金取って放送してる以上おまえらプロだろ。去年までWOWOWで解説やってた八代は、転倒シーンが映ったら瞬時に「あ、これはジャンサンティですね」とかいって、誰それ?ってライダーまでビシッと伝えてたぞ。(とかいってたら、スペインあたりからNHKの方で解説始めたのね。やれやれ。やっとWGPの放送らしくなったぜ。)
そもそも「岡田 忠之 日本」とか「ミック・ドゥーハン オーストラリア」なんてやってて、大丈夫なの?オレがレプソルの広報でレース担当だったら、即攻でNHKに異義を申し立てちゃうけどな。スポンサーの名前が出ないんじゃ放送する意味がないもんね。今だにNHKは「真っ赤なポルシェ」を「真っ赤なクルマ」と歌うべしって考えを改めてないらしい。
レースなんてもんはもはや、選手と選手の戦いの場、という単純なもんじゃないんだからさぁ。スポンサーにしてみれば、目だってナンボ、ライダーやらマシンなんて、走る広告塔に過ぎないのがわからんとは言わせないぜ。実にロマンのかけらもない書き方をしてしまったが、それもこれも、オレはまだまだずっと、WGPを見続けたいと思うが故だ。
スポンサーの思惑とは全然関係なく、ライダー自身は純粋に貪欲に、よりよい成績を目指して戦っているもんね。それは見ていて楽しいし、感動もさせてくれる。けど、ど〜したってそれには、スポンサーの金が必要なのだ。それも莫大な。
てなわけで、今シーズンのここまでの500ccクラスを振り返ってみよう。
まず、シーズン前の最大の話題はやはり、250ccクラス4年連続チャンピオンのビアッジが、最強マシンHONDA NSRで500に参戦したことだ。あと、コシンスキーもWSBでチャンプを取って、こちらも待望のNSRをゲットしてWGPに復帰してきた。また、不振続きのSUZUKIは青木宣篤、藤原克明の日本人ペアにチームを大きく衣更えした。青木の開発能力に期待ってとこだな。YAMAHAはシーズン前のテストから、テストライダーの難波恭二が好タイムを連発し、ノリックも感触良さげだった。ただ、ここでもスポンサーの問題で、カダローラはシートを失ってしまった。
また、ハードウェアの面では、無鉛ガソリンが義務づけられ、HONDA NSRはかなりパワーダウンしてしまったとのモッパラの噂だ。とはいえ、最近のNSRはパワーとハンドリングの両面を兼ね備えたスーパーマシンに仕上っているから、ピークパワーがちょっと削れたところで大きくアドバンテージを失うってことはなさそう。だが、定評あるスロットル・レスポンス、リヤタイヤとアクセルグリップの関係が崩れるほどの変化があったなら… まぁまだわからんけどね。年末のネモケンやアラン・カスカートの試乗記に期待だね。
YAMAHAはここんとこずっと腐ったマシンを250、500ともに供給していたので、今年はワークスの250はなし、500はフルモデルチェンジという大ナタを振るった。どうでるかねぇ。今までのところでは良い面がでているようだが…。SUZUKIは完全に再出発なので未知数だが、宣篤はマシンを造り込むのもうまそうだし、なにしろ基準となるライダー不在で、やることがなかったエンジニア陣にも山ほど仕事ができて、チームそのものは活気があるようだ。3シーズンくらい、心中するつもりで宣篤にまかせてみたらいいと思う。
さて、第1戦鈴鹿だけど、これはもうビアッジに尽きるね。5秒台だよ5秒台。もうただスゴイの一言だ。さすが4年連続チャンプだ。アーブ金本+マルボロ+NSRを実現する政治力もすげぇ。ほんとプロストと化してるなコイツ。あとビックリしたのが波賀だ。ほとんど経験のないYZR500でいきなり2位。しかもWSBでも勝ちまくり。波賀の腕前もさることながら、今年のYZRは悪くなさそうだね、マジで。それに、ドゥーハンがいきなりノーポイントってのも面白くなったなぁと思った。
ここで表明しておくと、250で原田vsビアッジという構図のときは、オレはもちろん原田びいきなんでアカラサマに原田を応援していたが、500でビアッジvsドゥーハンという構図になると、これはもうビアッジ応援しちゃうねオレは。よく「250から500にステップアップ」といういいかたをするけど、オレは各クラスとも次元の違う難しさってのがあって、決して250のライダーのレベルが500のレベルに劣っているなんてことはないと思っている。だからビアッジが活躍して、250のレベルは決して低いもんじゃないんだってのを証明して欲しいね。それと、もうまるで勝って当然って感じで、今年は走るが来年は引退するかも、とかホザいてるドゥーハンに、ああそう、っつってとっとと印導を渡しちゃって欲しい(笑)という気もする。
なんでって?
だって、レイニーもシュワンツもいない1強全弱の状態が続いたドゥーハンって、極端な話、することがないように見えるから。
ポールポジションを取っても、スタート・ダッシュでなんとかライバル達の前に出よう、とか考えてもいないだろ。いつでも抜けると思ってるもんね。全然ケツに火がついてねぇ。とりあえずおとなしくスタートして、集団がほぐれてくるまでただグルグル回ってるだけに見えない? いや、マジでさ。
500ccのマシンが特にパワー面で大きく進化して、もはやそのハイパワーを扱い切るのが難しくなってきたってのはわかるよ理屈として。実際、500ccはラップタイムが伸び悩んでいるし、年々ラップタイムが向上している250ccとのタイム差は縮む一方だ。それでVツインの500ccが出てきたりもしてる。主にタイヤやサスペンションの進化に支えられて、DUCATIを代表とするトラクション効率の良いツインが見直されてきてるという背景もある。
だけど、ずっと昔にシュワンツが叩き出したタイムが何年も破られてなかったりするってのは??だ。そら確かにシュワンツは天才かもしれん。1ラップの芸術家みたいなところもある。だけど、それっていったいいつの話だ。いいのかそれで。
結局のところ、一人抜きん出ちゃって、まわりはみんなドングリの背くらべみたいな状況に置かれてしまったドゥーハンは自分の限界まで攻める前に相手に勝ってしまうってだけなんじゃねぇのか?
もうこれ以上タイムが上がらない、500ccのパワーは人間の扱える限界だ、なんてウソだろ。ま〜だまだタイムは上がるハズだ。本気で走りさえすれば。今年、無鉛化されパワーが落ちたNSRをドゥーハンは「まるで農園のトラクターみたいにちっとも加速しない」とか酷評したそうだが、その「トラクター」でビアッジは前人未踏の5秒台に突入したのだ。まだまだ行けるハズなんだ。
だけど、この状況を産んでしまったのは、ドゥーハン個人の力だけによるものでもなさそうだ。レイニー、シュワンツの引退後は、YAMAHAもSUZUKIもエース不在でマシンの開発にさえ事欠く有り様で、YZR、RGV-ΓはNSRに大きく差を付けられてしまった。ハード的に、HONDAに勝てるのはHONDAだけ、という状況だったのだ。
さらに、雑誌などでみる限りでは、昨シーズンくらいまでHONDAのチーム内では、ライダーが互いのセッティング情報や、テレメータのデータなどを見ることができたらしい。といっても、自分より遅いタイムのライダーのデータには見るべきものがないのは当然で、現実には、ドゥーハンのセッティング情報をクリビレや岡田が見る、というのがほとんどだったに違いない。場合によっては宣篤も見ることができたかも。
これにドゥーハンが不服なのは勝負師として当然だし、そんなことしてる間は永久にドゥーハンに勝てるワケがないと思うぞ。そら参考にすればタイムは出るかも知れん。でも、それと引き替えにそのタイムが出せるようになるまでの成長の機会も失ってしまったに違いない。ドゥーハンのセッティングを参考にして走ったなら、自らの努力でそれを見出したドゥーハン本人が一番速くて当然だ。
シュワンツやレイニーと激しいバトルを繰り広げていたころは、皆メーカーがちがい、マシンもタイヤも、もちろんセッティングも全然違っていたにもかかわらず、不思議なほどピッタリ同じようなタイムで周回していた。ああいうタイムこそが、その時点での人間+マシンの本当の限界なんだと思うんだがなぁ。
今シーズンはそういう制度(というのか?)がなくなって、各ライダーとも自分の力でセッティングを出しているらしい。だからこそビアッジは鈴鹿で5秒台を出せたし、勝つこともできたのだと思う。ドゥーハンも内心は驚いたんじゃないの? この調子で、ドゥーハン絶対という状況にクサビを打ち込んで欲しいもんだぜ。
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