WindowMaker 入門


いつもながら同じような書き出しだが、WindowMakerはいいよ。オススメだ。

WindowMakerは、このページを書いてから新しいバージョンに追従し、パッケージの作り変えや、必要なライブラリなどの差し替えなど散々作業したので、ここを読んだ後はこっちも読んでね。


WindowMakerはオレも入門したばかりで大したことは書けないから、まずは黙って馬目さんのページ吉永さんのページをまず見るべし。また、衛藤さん、吉永さんによる翻訳の日本語版WindowMaker Unofficial FAQもあるので、これはお約束で読まなきゃ始まらない。

見た感じはAfterStepにソックリだが、fvwmベースのAfterStepとは作りがかなり違っていて、よりNEXTSTEPライクらしい。オレはNeXT使ったことないからわからんが(笑)

X_LOCALEを捨ててコンダラ道を突き進んでいるオレだが、実際、glibc+wcsmbsな環境でWindowsMakerにXEmacsでGTK+のプログラムなんぞ書いてみたり、日記を書いてみたりしているが、日本語を使ううえでな〜〜〜んも問題ない。TeXなどの組版系や、ghostviewなどのビューアなどをヘビーに使いたいひとには問題ありなのかも知れないが、オレのようにベタなテキストが読み書きでき、メール、ニュースが使えてgccがブン回せればいい、という人に充分だよ実際。

師匠には「そんな重い環境!」などと一喝されてしまいそうなグラマーなアイテムばかりだけど、WindowMakerでもXEmacsでも、日本語のメニューだってしっかり表示されてるし、ほんと、実は全然コンダラしてないぜ。快適そのもの。極めて安定している。ほんとにいるの?X_LOCALEなんてって感じ。

パッケージ置場に置いてある WindowMaker はX_LOCALEなし、KANJIサポートありでmakeしてあって、JRPMのX_LOCALEありなXFree86環境では使えないので念のため。(申し訳ないが、ISPのディスク容量がキビシくなってきたのでバイナリは消してしまった。)

さらに、このバージョンのWindowMakerは、実はlibjpeg-6b-5というパッケージに依存している。正確にいうと、libjpeg.so.62というShared Libraryを必要とするので、注意が必要だ。というよりも、RedHat 5.1をインストールした直後の環境ではインストールすること自体できない。libjpeg.so.62がある環境でパッケージを作ってしまったオレが悪いといえば悪いのだが… この辺の事情はwmakerconf-1.0 (libjpeg差し替えで大騒ぎ)に書こう。

rpm -ivhなどでインストールしたあと、おもむろにwmaker.instを実行すると、ホームディレクトリに~/GNUstepが作られて、必要な設定ファイルはすべてその下に置かれるようになっている。また、LANG=ja_JP.ujisにしている人なら、パッケージに含まれているLOCALEデータが同時にインストールされているので、日本語のメニュー等が設定次第ですぐに使えるようになる。

といっても、この設定が最初だけはちょっと繁雑だったのだが… 馬目さんが書かれたsetlinguasというShell Scriptも入れておいたので、それを使おう。

/usr/doc/WindowMaker-0.19.1/setlinguas というファイルがそれで、実行属性が付いてインストールされているハズなので、wmaker.instを実行して~/GNUstepができたのを確認したら、/usr/doc/WindowMaker-0.19.1/setlinguas ja として直接実行してしまおう。この引数のjaというのがミソね。これで最初の起動時から日本語のメニューが使えるようになる。みんな、馬目さんに感謝だ。

X_LOCALEな人はパッケージ置き場のsrc.rpmから、X_LOCALEな環境でmakeしなおせばたぶん使えると思うけど、その際には当然ながらSPECファイルの手直しが必要だ。といっても、コメント入れておいたから、全然難しくないと思う。一からmakeするよりはるかに楽にちがいない。libjpegを差し替えたくない人も自分でmakeしてみよう。たぶんイケルと思う。

さて、WindowMakerの実際の使い勝手だけど、AfterStepを使ったことがある人なら簡単に慣れることができると思う。が、大きく違うところをあげてみると、まずPagerがない。Wharfもない。

だが、より強力なDock、Clip、Workspaceという機能があるのでコンフィグレーションやカスタマイズはWindowMakerの方がはるかに簡単だと思う。また、asclockなどのwharfに張り付けるアイテムはほとんどがDockやClipに張り付けられるから何も悩むことはない。

起動するとアイコンが左下に出るアプリケーションがあるが、そういうアイコンを生成してくれるアプリの場合は、ただ単にマウスで摘んで持って行き、Dockに張り付けるだけ。または、Clipをアイコンを自動的に吸い付ける設定にしていると、始めて起動したときにひっついて、それで設定完了だったりするから笑える。また、アイコンを生成してくれないアプリでも、Dockitを使えばDockにもClipにも張り付けられるようになる。簡単簡単。

また、大きな特長(だと思う)Workspaceだが、これはPagerと似て非なるものだ。Pagerというのは、アプリケーションを開いたままページを切り替えて行ったり来たりできるという、早い話、非常に大きなWindow空間を小さなビューポートから覗いている、というものだ。

一画面に表示できる大きさを単位として格子上に区切られた各ページは、上下左右でお互いがつながっていて、今は全体の中のどこにいるのか、という位置を確認できるようになっている。Windowを持って場所を変え、半分くらい画面からはみ出すような状態にしてとなりのページに移ると、見えなくなっていた部分が見えるという具合だ。

また、ビューポートに張り付いていて、ページを切り替えてもいなくならないWharfのような一塊のアイコン群が提供されているのが普通だ。

一方、WindowMakerのWorkspaceはこのようなPagerとは異なり、大きなWindow空間を覗いているのではない。Windowを持って移動させ、半分くらいはみ出させても、はみ出した部分は次のWorkSpaceに移動しても見えることはない。デフォルトでは、マウスを画面の端に持って行っても勝手に画面が切り替わって別のページに行く、などということは起こらない。WorkspaceはWorkspaceごとに一つの独立したWindow空間を持っている。

もちろん、Wharfと同じように、どのWorkspaceに移動してもDockは必ず表示されていて、張り付けたアプロケーションはいつでもLaunchが可能だし、Alt+数字キーでWorkspaceを瞬時に移動するなど、Pagerライクな使い方もできる。今見ているWindowを別のWorkspaceに移動してしまいたい場合は、メニューから飛ばしたいWorkspaceを選んでもよいし、単に掴んで画面の右か左に移動すれば、自然とWorkspaceを移動することもできる。Pagerでできることはほとんどすべて可能なのだ。ページに跨ってWindowを開く、なんてこと以外なら。

ただ、上下左右に互いがつながっている、なんてことはなくて、MainとなるWorkspaceから、右方向にWorkspace 2、Workspace 3、という具合につながっているらしい。最後のWorkspaceの右側にMainが実はあった、なんてことはない(笑)

際だった特長として、Workspaceは各workspaceごとにClipを持っているということがある。このClipがとっても使いやすくて非常にお気に入りなのだ。アプリをくっつけることができるのは書いたが、各Workspaceごとに独立したClipがある、というのがオシャレなところで、Warkspaceごとに特色を持たせて管理しやすくしてくれるのだ。

最初に開かれるMainのWorkspaceにはメールやニュース、モジラなどをClipで張り付けて置き、2番目のWorkspaceは開発環境としてxosviewやwmload、XEmacsやFileRunnerなどを置く。3番目はマルチメディア系としてGIMP、xcdplayer、x11amp、xanimなどを張り付ける。で、共通にどのWorkspaceでも見たい時計などは、Dockに張り付けておけば常に見ることができる。

ね?良さげでしょ?しかも、ビジュアル的にはすごく綺麗なくせに、意外なまでにサクサク軽やかに動くのだ。すっかりノートPCの方にも入れちゃったよ。

ただ、まだ使い始めたばかりで、ちょっと忙しいってのもあってキーバインドやらカスタマイズは全然わかってない。このあたりはまた別途書き足すつもり。


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