GIMPというソフトがある。そら〜すごいソフトで、とてもこんなへんぴなページで説明できるようなシロモノではない。ごくごく簡単に書くと、X Window Systemの上で動く、画像処理ツールだ(怒らないで)。PhotoShopと良く対比されて紹介されるけど、オレはPhotoShop使ったことないからよ〜わからん(笑)
GIMPの公式ページには様々なスクリーンショットがあるので、そっちを見てもらえばよかろう。もともとオレには絵心がないので、自分でなにか絵を書くってことはないんだが、むか〜し昔、先カンブリア時代くらいに、エンボスとかノイズ除去など、画素の近傍演算をするといった画像処理のファームウェアを書いて食っていたことがあったので、ちょっと興味本位でインストールしてみたのだ。
しっかしスゴイよねぇ。こんなのがフリーでソースまで配られてるってんだから。
だけど、オレの本当の目的は、GIMPそのものを使うことじゃなくて、GIMPが使っているGTK+というツールキットを使って(アプリなんぞを書いて)みたいってことにあるんだ。Motifっぽい見た目のキレイなWidgetで、日本語も入出力できそうだったしね。
実際のところは、他のなんでもよかったんだけど、XFromsはどうも商業臭いし、日本語通すの大変そうだし、QtにいたってはWin95のマネして何がしたいの?ってのもあったし、GTKが一番良さげだと思うなぁ。
てなワケで簡単にmakeの方法を書いておこう。上にも書いた通り、GIMPはGTK+に依存しているので、まずGTK+からインストールしてやる必要がある。6/15現在の最新バージョンは、GIMP 1.0.0 に GTK+ 1.0.4 だ。
どこか、/usr/local/srcでも~/srcでも、書き込めるところに移動しよう。なければ掘ろう。
tar zxvf gtk+-1.0.4.tar.gz で展開する。
cd gtk+-1.0.4してGTKのソースツリーに入ろう。
LinuxでLibc5な人は ./configure --with-locale=ja_JP.ujis で LOCALE を有効にしてやろう。configure が通ったら、make し、su して make install する。
作業ディレクトリに戻って
tar zxvf gimp-1.0.0.tar.gz で展開する。
bzip2を使っている人は、同じディレクトリにbz2なアーカイブもあるので、そっちを取ってくるといいと思う。
cd gimp-1.0.0してGIMPのソースツリーに入ろう。
./configure ; make ; make install で普通にインストールできる。
その他に必要なものとして、GIMPから使用されるライブラリ集があるので、jpegsrc.v6a.tar.gzなんかを必要に応じて入れるといいと思う。あと、同様にフリーフォント集が(英語だけだけど)あるのでfreefonts-0.10.tar.gzも入れておこう。
初めてGIMPを起動すると、~/.gimp というディレクトリが作られて(そのためにちょっと時間がかかる)、様々な設定ファイルなどが置かれる。この中の gtkrc というファイルをちょっと編集してやろう。
フォントの指定が、
font = "-adobe-helvetica-medium-r-normal--*-80-*-*-*-*-*-*"
などとなっているところを、
fontset = "-adobe-helvetica-medium-r-normal--*-80-*-*-*-*-*-*,*"
とするだけ。
GTKがちゃんと -DX_LOCALE 付きでmakeされていれば、これだけでGIMPでテキストを入力するエリアに、kinput2経由で日本語が入力できるようになるはずだ。
だけど、これで日本語が入力できるようになるのって、GTK_ENTRY Widget、つまり一行入力のエリアだけなんだよね。フリーエリアなGTK_TEXT Widget に入力できるようにするには、gtk+-1.0.4/gtk の下の gtktext.c と gtktext.h にパッチを当ててやる必要がある。
ハイパーコアさんが提供してくださっているGTKメーリングリストで流れた、田中@東大情報工学さんのパッチをあてることによって、テキストエリアでも日本語が入出力できるようになるので、ここで紹介しておく。もちろんオレもあてている。田中さんの書かれたREADMEはこっちね。
あと、さらに、同様にGTKメーリングリストに民斗さんがパッチを提供なさっているが、そちらはまだオレは未使用、未体験なので今回は紹介が間に合わなかった。日本語対応と言うべき田中さんのパッチよりも、より一層i18nされているようなので期待大なんだが、なにしろ時間がなくて…民斗さん、ごめんなさいね。
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