97/10/27 pm 22:50
今日、直属上司のEddyとサシでミーティングした。大満足できる話し合いだった。Eddyは合理的で公正で、本当にいいマネージャだ。オレの今までの社会経験のなかでも、1、2を争う。彼がオレの上司でいる間は、オレのほうから会社に背を向ける理由は見付からない。
現状でオレが抱えている様々な問題を一つ一つ相談し、それぞれについて解決のプランを立て、中長期的なものから、短期的で急ぐものまで、一通りの満足いく合意を得られた。大きな成果だ。オレも英会話がうまくなったもんだ、と我ながら驚いたぜ。
米国本社、日本、オレ、という三者間の関係にもっとも影響を与えるトピックとしては、やはり、キミはアジア向け製品の責任を持つオレの部下なんだから、日本だけを見るな、と言ってくれたことだろう。オレだってそうしたいのはやまやまだったのだ。自分の責任範囲ではない、と思ったなら、迷わずノーと言え、言いにくいならオレが言ってやるからいつでも相談しろよ、と言ってくれたのには泣けた。
日本サイドからの的外れな(とオレには思える)要求、たいてい「お願い」という形で舞い込んでくるんだが、そういったものをわだかまりなく断れるぜ。オレってばホラ、けっこう人がいいところがあるじゃん?(ホントかい)だから無理してやっちゃったりするんだよなぁ。それはむしろいかんぞ、と当たり前のことをEddyにあらためて指摘された。Don't
be a good man everytime. だって。カッコええわぁ。
それと、一番嬉しかったのは、ソースの管理の仕方について、オレの思っていたことを全部わかってもらえたことだ。I18Nがアタリマエの手段になっている会社から見れば、とってもレベルの低い悩みなんだろうが、オレはちょっと孤軍奮闘って感じだったから、Eddyが今のやり方でいいよ、と言ってくれて、とっても救われたぜ。
ソースを管理しているデータベースがあって、まぁ主に履歴を管理しているんだけど、製品のマスタでもベータでも、そこから毎回ゲットしてはビルドするという工程を踏んで造られる。まぁこれは基本だよな。で、オレはそこに、日本語や韓国語に対応したソースをガンガンチェックインしているのだ。英語でしか動かない部分は有無を言わさず直してチェックインする。最初っから固有のデータになるとわかりきっているリソース以外は、各国向けのブランチなど作らずに、メインにブチ込んでいるのさ。
もちろん、なぜ修正したか、などの資料もそれなりに書いて担当のヤツに渡したりするんだが、いかんせん腐った英語なのと、I18Nに対する理解や興味の度合いが人によって異なり、イヤな思いをすることも多い。もとに戻せ、なんて言われたこともある。
そら確かにオレが片手間で書いた腐れ英語の資料なんて面白くもなかろう。だが、オレ個人は、ソースコードこそが最大にして最良の仕様書だと思っているので、納得いかないならソースを読んでから質問してくれ、といって突っ張っている。だから、とぉっても疲れるのだ。
例えばオレ達日本人が、母国語の日本語で書かれた参考書などを熟読しても、どうしても説明だけではピンと来ないものが、サンプルプログラムを読んだり、場合によっては実際に動かしてトレースしたりすると初めて、なるほどね、となることは多いだろう。つまりそれほど、プログラムというものはそれ自身で過不足なく自分を表現している仕様書なのだ。仕様書の通りに動かないプログラムなんてのは掃いて捨てるほどあるが、書いた通りに動かないプログラムはない。プログラムってのは、あんたが思った通りに動くんじゃなくて、書いた通りに動くんだよ、という名言もある。仮にもエンジニアであるならば世界共通の言語であるプログラムを実際に読めば、どちらが優れているかは白黒はっきり付けられるだろう。
まぁ地道にやるしかないか、と思っていたが、Eddyが、今のやり方でやって、文句をいうヤツがいたらオレに聞くように言っとけ、とゴッドファーザーのようなことを言ってくれたので、子分のオレとしてはとっても楽になったってわけさ。
中国向けもやるぞ、と言っていたから(誰が買うのだ?)忙しいのは変わらないけどね。
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