バイク乗りの生態


こんなHPを立ち上げておいて書くのもなんだが、オレは仕事上などバイク以外の線で初めて会う人には、自分の趣味がバイクだ、とはなるべく明かさないようにしている。バイク=わるものとかガキが乗るものといったような、バイクに乗らない人の認識が気になるからぢゃないよ。むしろ、その通りさ、くらいに思ってるしな。

じゃなんでだ、っつ〜と、簡単に言って、うっと〜し〜からだ。

取捨選択したり読み流したりできるメーリングリストなどと違って、面と向かって、だと何か受け答えをしなくちゃならん感じでしょ?でも、だいたいにおいて、聞かれることや話の内容が、もう反応のしようがないほどタイクツなんだ。オレの自意識過剰もここに極まれりという感じだが、ちょっと例をあげておこう。

よくあったパターンその1

「下のFZR見ましたよ、とほほるさんのなんですって?スゴイっすね、タイヤの端っこまで使ってますね。自分もバイク好きなんすよ。高校の時は乗ってたんすけどね〜。あ?今はクルマっす。」

「…(-_-)」 いったい、どんな反応をすればいいのだ。精一杯の努力をして、「別に端まで使おうとして使ってるわけじゃないよ。ラジアルタイヤってのはああいうもんなのさ。」と答えてはみたが、相手はキョトンとしている。会話はここでおしまい。

よくあったパターンその2

「下の大きいバイク、とほほるさんのなんですってね。いいですよね〜バイク。私も免許取ろうかなぁなんてずっと思ってルンですけど、ちゃんと乗れるかなぁ。」

「…(-_-)」 いったい、どんな反応をすればいいのだ。免許が欲しければ、教習所へ行くなり、試験場へ行くなりすればよかろう。頼むからオレに聞かないで、自分で決めてくれ。類似のパターンとして「彼女に免許を取らせようと思うんですよ。彼女もバイクに乗りたいって言ってるし。どんなバイクがいいと思います?」なんてのもあるぞ。

今、バイク乗りの置かれた状況は本当にツライものだ。極悪といってもいい。クルマは馬鹿力で肥大化しつづける一方だし、両手でハンドル持っていてさえヘタクソなヤツが携帯持って片手で運転し、交差点を大回りしたりなんてのは茶飯なことだ。正直言ってとても「バイクはいいよ。免許取りなよ。」とサワヤカに薦める気にはなれぬ。もしも免許を取ってバイクに乗るなら、どうか、このサバイバルを生き抜いてくれ、と祈るのみだ。

いちばんしょ〜もないパターン

「どうしてバイクに乗るんですか?彼もバイクに乗るんです。危ないから降りて欲しい。」

「…(-_-)」 いったい、どんな反応をすればいいのだ。この「彼」という部分には、弟でも姉でも父でも、なんでも入るんだ、これがまた。とにかく、バイクから降りさせたい本人に直接言ってくれ、オレに言わず。まぁ降りないとは思うがね。そもそも、バイク乗りはなんでバイクに乗るのか、なんてこたぁこれっぽっちも考えてないと思うぞ。

漫画の「キリン」なんかだと、「あっち側」と「こっち側」って言い方になるんだろうけど、まさに東本昌平の言うとおりで、世の中にはバイクに乗るヤツと乗らないヤツの2通り人種がいる、とオレも思う。大脳旧皮質とかのレベルでバイクに吸い付けられちゃってるヤツってのは、もはや降りないよ。誰がなんといおうが、いくつになろうが、ね。


妻子持ちライダーの苦労

バイク乗りにしてみれば、バイクに乗ってない時ってのは世を忍ぶ仮の姿ってヤツだ。独身で、オレは後ろに女は載せねぇぜ、なぁんて(*^-^*) わるもの しちゃってるうちはまだいいが、そのうち結婚なんてしてみたり、子供なんか産まれちゃったりすると、もはや仮の姿の方がグ〜ンと大きく比重を占めるようになり、バイクに乗る時間てのをなかなか確保しにくくなってくる。

そもそもバイクってのは1人で乗るもんだ。もちろん2人乗りも楽しいが、今の日本の状況では高速が使えないのでちょっとツラすぎ。彼女や奥さんを後ろに乗せるなどしてバイクの楽しさを理解してもらおうとしたり、ランニングコストの予算をなんとか正当化しようとしたりするという手もあるが、例によって「あっち側」と「こっち側」というヤツで家族ぐるみのバイクライフ(^-^)といったような趣には、なかなか到達できないのが正直なところだろう。

ライダースクラブの「鉄と心とふれあいと」なんかだと、父ちゃんバイク乗り、母ちゃんもバイク乗り、もちろん息子もバイク乗りで、しまいにゃ娘は今教習所に通ってるところ、なんてすげぇ一家も登場するが、珍しいからこそ雑誌にまで乗る、という見方が正しいと思う。

彼女なら毎日会うわけじゃないからまだいいが、結婚して、バイク乗りじゃない嫁さんをもらったとすると、週末の1日を峠攻めに費やす、なんて極普通のこと自体がなかなか大変になったりする。あなたは楽しいだろうけど、私は一日タイクツよ、なんて言われてしまうのだろう。子供なんて産まれちゃったりすると決まって「もうあなた1人の体じゃないんだから」などと言われちゃって、本当に困るよなぁ。くれぐれも、バイクに理解のある人と結婚することを薦めるよ、オレは。

じゃあ、バイク乗りの嫁さんをもらったらどうなるか?これはウチの場合だ。これがまたなかなかにして大変なんだよ。なにしろ、お互いがバイク乗りだから歯止めってぇもんが効かないの。共働きなら確かに収入は1人の時の倍になるが、使う金額は3倍4倍になったりして、意外な経済危機を迎えたりするんだぜ(^-^;)

たとえばこうだ。嫁さんの方が、あたしのバイク、タイヤがもう終わってるから交換することにしたわ、というと、ダンナの方も、おぉ、そうか、オレのはまだ山あるけど、ここはいっちょドラゴンコルサでも入れるか -> で、ダブル出費。 同様にして、おぉ!RX−7RR3が出たか〜、待ってたぜ。やっぱSuperCLCは一回かぶったら止められないぜ、というと嫁さんも負けてはならじと、あたしのメットも内装腐ってるの。もっと軽いメットが欲しいところだったし、あたしも買おうっと -> またもダブル出費。

恐ろしいものがあるよなぁ。まぁウチだけかも知れないが(^-^;)

さらに、子供ができちゃったりすると、嫁さんは肉体的にバイクに乗れなくなってしまう。でもダンナのほうは体には全然変化がないから、バイクで出かけちゃうでしょ?これがケンカのタネになるんだなぁ。あたしがアザラシみたいになってツライ思いをしてるのにあんたは楽しそうね、っつって(^-^;) ウチに帰り着いて、開口一番、いやぁ、今日は我ながらキレのいい走りができたぜ、なんて晴れ晴れした顔で言ったりしては絶対にいかんのはいうまでもない。

それに… 子供ってのは産んで終わり、ってんじゃなくて、産んだら子育てが始まる。これも母親に負担が大きく、父親はたいてい、あまり役には立たぬ。せいぜいオムツを換えたり風呂に入れたりする程度で、オッパイが出るわけじゃねぇもんなぁ。そのうちに、あ〜あ、あたしはいつになったらまたバイクに乗れるのかしら、なんていうのが口癖になり、この時期は非常にツライ(^-^;) これを乗り越えると、子育てもかなり楽になり、根っからのバイク乗りだもん、走りに行きたいわよね、などとゴッドな言葉を発してくれるようになる。

ね?バイク乗りで、そのうちいつか結婚はするつもり、一生独身ってわけじゃなくて、という人は、どっちがいいか、よ〜く考えることをお勧めするよ。


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