10/10(金) アプローチの違い

アプローチっていっても、コーナーへ突っ込んでいくときの話じゃないよ。仕事に対する取り組みかたというか、目標を達成するためのアプローチのことだ。日本の企業と、アメリカの企業で、一番の違いってのがここの部分だと思う。

オレはベタベタに日本式な会社のスタイルってのはキライなんだが、それは何故かというと、まずタイムカードがあることだな。これってつまり、個人個人の仕事の出来や効率を問う以前に、会社に何時間いたかを重視しているということだろ?パートやアルバイトと同じ。誰の1時間も、同じ1時間なのさ。その1時間の中身、密度に目が向けられることはあんまりない。そんなのってあり?オレは基本的には出来高制であるべきだと思うんだがなぁ。

だが、出来高制にしようにも、上司がちゃんと部下の仕事を評価してない、できてないってのもある。ここもすごくキライな点だ。部下の査定がタイムカードに寄ってしかできないマネージャなんて、職務怠慢としか言えないと思うんだが、実はそっちのほうが主流だったりするから脱力する。

オレ個人としては、会社なんぞ何時に来ようが何時に帰ろうが勝手だと思うんだがなぁ。たとえ隣り合わせの席でも、用があるならメールなり電話なりでアポを取っとけよって感じ。緊急の用事ができたら、家なり携帯なりに電話でもすればよかろう。要は連絡がつけばいいのだ。必ずしもオフィスの席に張り付いている必要はあるまい。

あと、一生懸命さを評価の尺度に入れて、さらにそれを口に出して言っちゃったりするのもすごくイヤだ。彼は一生懸命やっている、なんつって。だからなんなの?オレとしては、一生懸命やっても結果が出なければ評価は0だと思うんだが。朝早く来て、夜遅くまで残業し、一生懸命頑張っても、当初の目標を達成できなかったなら、意味ないと思うんだけどな。

その点、こっちの会社はいいぜ。サッパリしたもんだ。タイムカードなんてないしな。評価の基準は実績1本だ。結果さえちゃんとを出ていれば、過程はほとんど問われない。逆に、期待とかけ離れた結果しか出せないようなら、すぐにクビだ。すがすがしいねぇ。

目標の設定も、直属の上司と面接なり相談なりして両者の合意の上で設定するのが普通だから、最初から無茶な目標を強いられた、などと後から言い訳する余地はない。かわりに、目標を達成できたかどうかの評価も、上司との面接なりの後なので、まぁ納得のいくものだ。

だけど…オレには結果重視のアメリカ式が合うし、実際に好きでもあるが、必ずしもいい面ばかりではないなぁ、と最近思い直しつつもあるんだ。なぜなら、経験者のみを重点的に採用する傾向に、どうしてもなりがちだし、プロジェクト毎に中途採用し、終わると解散してしまう、ということが割と安易に起きているように見えるからだ。

優れたアイディアを考えついたが、実現する方法がわからない、というような局面になると、できそうなヤツを雇ってきて任せればいいじゃん、と考えるアメリカの企業に対して、日本の企業だったら、まずは現有の社員に勉強させようとするだろう。時間はかかってもね。

結局、アメリカのやり方ってのは、ちょっと高い枝からぶら下がってる果物に、一息に飛びついてもぎ取るという感じだ。飛びつけるヤツはいいが、届かないヤツはいつまでたっても届かない。仲間内の連中が誰1人届きそうもないと、背の高いヤツを連れてきて取ってもらおうとする。背の高いヤツがどこかに行ってしまったら、残された連中は2度と果物にはありつけない。

対して日本のやり方だと、届かないなと思ったら、まずはハシゴをかけて取ろうとするだろう。場合によっては手近なハシゴがなく、ハシゴ自体を作るところから始めてしまうのかもしれぬ。とっても回りくどくて時間もかかるが、一度ハシゴがかかってしまえば、誰でも果実に手が届くようになる。最初にハシゴをかけたヤツがどこかに行ってしまっても、残った連中にはほとんど影響がない。ハシゴが壊れでもしない限り。

どっちのやり方にもメリット・デメリットがあるよなぁ。どっちがいいのかねぇ。

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