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現在,Momonga Linux では,GNOME,KDE といった統合デスクトップ環境をはじめ,Afterstep,blackbox,Enlightenment,fluxbox,IceWM,Sawfish,Window Maker といったウインドウマネージャが用意されており,wdm や sdr などにより簡単に切り替えて使用することができます.
この文書では,その中で比較的新しいウインドウマネージャである golem について紹介したいと思います.
開発は,http://golem.sourceforge.net/ にて行われており,メーリングリストもあります.
golem は特別なベースは無く、0から作られたウィンドウマネージャです。ですが、触り心地等は他の軽量ウィンドウマネージャと共通点が多々ありますので導入しにくいといった点はありません。
特徴としてはプラグインを使用する事により、ウィンドウを削除した時のアニメーションやタスクバー等、さまざまな効果が得る事が出来ます。
なお,gnome とともに使用することもできるようです.
プラグインを使用する事により機能を選択して使用する事が出来ます。どの機能を使用するかの設定は .golem/golemrc
の最後に記述されています。各プラグインの # を外して保存を行ない、右クリックから restart する事により指定したプラグインの機能を使用する事が出来ます。プラグインの各機能については、~/.golem/plugin/
以下の各プラグインのディレクトリの rc ファイルを参照して下さい。
壁紙を指定するには、~/.golem/golemrc
から以下がコメントアウトされていないか確認します。コメントアウトされている場合には # を外して有効にして下さい。
#.include "plugins/setroot/rc"
テーマのディレクトリの rc に以下が存在しているか確認して下さい。存在しないもしくはコメントアウトされている場合には有効にして下さい。
forplug "setroot" "forplug/setroot/rc";
壁紙の設定にはデフォルトで wmsetbg を使用します。現在、使用しているテーマのディレクトリ以下に /forplug/setroot のディレクトリがあるか確認して下さい。もしも無い場合には他のテーマからコピーしてください。
cp -r ~/.golem/themes/eBlueSteel/forplug/setroot ~/.golem/themes/hoge/forplug/setroot
壁紙として使用したいファイルを上記 setroot 以下に置き、rc をエディタで開き、All-Good-People-4.jpg を壁紙に使用したいファイルに変更し保存を行ない、restart して下さい。[1]
もし、wmsetbg のオプションを変更したい時には ~/.golem/plugins/setroot/rc
内の記述を変更して下さい。wmsetbg は WindowMaker に含まれているコマンドです。他のコマンドとして Esetroot、xv が存在します。それらを使用する場合には前述の rc の設定を変更して下さい。
設定が終了したら、右クリックから restart を選択して指定した壁紙が表示されれば成功です。wsetbg コマンドや、Esetroot 等 の壁紙指定の詳細は、各々のヘルプを見て下さい。
タイトルフォントの設定を行う事により、タイトルで使用するフォントを変更する事が出来ます。設定は
~/.golem/golemrc
をエディタで編集します。テーマ設定の項目の後[2]に
style { title_font "-alias-fixed-medium-r-normal-*-16-*-*-*-c-*-jisx0208.1983-0"; }
等 "" 内に手元の環境で使用したいフォントを記述して下さい。
ルートウインドウ上で右クリックした時に表示されるメニューは、デフォルトでは
~/.golem/plugin/simple_menu/rc
をエディタで編集します。書き方は実際に見ればわかると思いますが、
param "command" "emacs" {param "dat" "exec emacs";}
はじめの "emacs" がメニューに表示される文字で、後ろの {} の中が実行されるコマンドです。オプションを付与する場合には
param "command" "aterm" { param "dat" "exec aterm-tr -sh 30 -fg pink"; }
のように書くと、メニューに "aterm" が追加されます。サブメニューを追加する場合には
param "submenu" "hoge" {}
と記述するとメニューに hoge というサブメニューが出来ます。括弧内にサブメニューに配置したいメニューを記述して下さい。
他の多くのウインドウマネージャと同様に、アプリケーションの起動を割り当てることが可能です。デフォルトの設定ファイルは、~/.golem/golemrc
にあります。mod4 キー等と、カーソルキー (Up、Down、Left、Right) や通常の文字キー等も組み合わせて使用することができます。
key_command "q" (Mod4Mask) "exec Eterm"; key_command "x" (Mod4Mask) "exec xmms"; key_command "up" (Mod4Mask) "exec gimp";
などとして、アプリケーションの起動に割り当てることもできます。また、現在フォーカスされているウィンドウの挙動を設定する事も可能です。
key_zoom "z" (Mod4Mask); key_delete "e" (Mod4Mask);
などは、ウィンドウの最大化や、ウィンドウの消去を行う事が出来ます。また、デフォルトでは Alt + Tab で次のウインドウへフォーカスが移ります。
マウスでアプリケーションの枠をクリックした時の動作の割り当てを設定する事が可能です。デフォルトのファイルは ~/.golem/themes/hoge/rc
もしくは ~/.golem/themes/hoge/style/common.rc
を確認してください。
microGUI のテーマを例に説明します。設定ファイルは ~/.golem/themes/microGUI/rc
になります。rc の中に以下のような部分があります。
DT4 dec_near dec_top 22 -55 0 0.3 0.7 false false act_move act_resize act_resize TOP_WHITE TOP_WHITE;
上記記述の三行目の act_move act_resize act_resize がウィンドウバーの白い部分をクリックした時の動作になります。三回書かれているのは、マウスの三の各ボタンに対応している為です。動作はおおまかに分けて
なにもしない(act_none) ウインドウの移動(act_move) ウインドウサイズの変更(act_resize) ウインドウの消去(act_delete) ウインドウのアイコン化(act_iconify) ウインドウの最大化(act_zoom)
等を設定する事が出来ます。例えば
act_move act_delete act_zoom
としておくと、左で移動、中で消去、右で最大化と各クリックで行なう事が出来ます。最大化を戻す時にウィンドウバーは表示されませんので、ショートカットを設定しておく事をおすすめします。左側の青い部分の設定を変更する場合には DT2 の三行目を変更します。
設定が終了しましたら、右クリックから restart を選択して状態を確認して下さい。
この文書は fluxbox-HOWTO をベースに、機能等の比較しやすいように書かれました。
golem についての手解き頂いた zoe 氏、fluxbox-HOWTO の著者である kourin 氏、ベースとなりました fluxbox-HOWTO を作成された Kondara Project、また Kondara Project でドキュメントのメンテナンスをされていた諸氏に、ここに謝辞を程します。
この文書は無保証です。この文書の利用およびこの文書に基づいて作業をされた結果、何らかの損害を被ったとしても、原著者はいかなる責任をも負いませんのでご了承ください。
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OPL についての詳細は、http://www.opencontent.org/openpub/ を参照してください。 また、八田真行氏による OPL ドラフト v1.0 日本語訳がhttp://www.opensource.jp/openpub/ にて参照可能です。
この文書を再配布する場合は、可能な限りhttp://www.momonga-linux.org/docs/golem-HOWTO/ja/ 以下から最新版を入手し、それを配布してください。