2. IRC に参加する前の予備知識

2.1. IRC に参加する時の基本的な流れ

適切に設定された IRC クライアントを起動し、IRC サーバにログイン後、 特定の話題やグループの集りである「チャンネル」に参加します。

存在しないチャンネルに参加した場合は自動的にチャンネルが作成され、 チャンネルから全員が退出すると自動でそのチャンネルは消滅します。

2.2. チャンネルオペレータとは

チャンネルを作成した人は「チャンネルオペレータ」(以下オペレータと略します)となり、 そのチャンネルの管理権限を持ちます。オペレータの権限には、 チャンネルに関する様々なモードの変更・ユーザの強制退去権・ 他のユーザに対するオペレータ権限の追加および解除などがあります。

IRC クライアントに表示されるニックネームの先頭に「@」や「★」 のマークが付いているのがオペレータで、そのマークは「なると」などと呼ばれます。

2.3. IRC の基本的なコマンド

IRC には、特定のクライアントに依存しないコマンドがあります。 GUI のクライアントを使う場合には、コマンドを意識しなくても使えるようになっていますが、 知っていると融通が効き、何かと便利なので覚えておくとよいでしょう。

たいていの IRC クライアントは、発言欄にコマンドの入力ができるようになっています。 各コマンドは、先頭のスラッシュに続けてコマンドを入力します。 このことは、通常の発言の先頭にスラッシュがあると、 IRC クライアント側がコマンドと処理してしまうことになります。 先頭にスラッシュが来るファイルのパスなどを発言欄に入れたい時は、 スペースを先頭に入れてから続けると良いでしょう。

ここでは IRC クライアントを起動して通常使うであろう順番に沿って説明してみます。

help

コマンドのヘルプを表示します。 引数無しだと使用可能なコマンドのリストが出ます。 そのコマンドの詳細を知りたい時は、

       /help nick
      

などと、コマンド名を引数に与えます。

nick

IRC で使用する自分のニックネームを変更します。

       /nick momo
      

このようにニックネームを引数に与えますが、 ひとつの IRC ネットワーク上で同じニックネームは使用できないので、 変更しようとしたニックネームが既にそのネットワーク上で使用されていると、 さらに変更を促されます。 ニックネームに使用可能な文字は半角英数字で9文字までです。

server

接続する IRC サーバを指定します。

       /server irc.hoge.org 6667
      

このように、サーバに続けてそのサーバで指定されているポート (IRC のデフォルトは 6667)を指定します。

list

そのサーバにあるチャンネルのリストを、参加者数やトピックと共に表示します。 WIDE などの大きな IRC ネットワークに参加しているサーバ上ではチャンネル数も膨大になるので、 list コマンドをそのまま実行すると結果を得るのに時間がかかり、 場合によってはサーバとの接続が切れてしまう事もあります。

       /list #momonga
      

このように、チャンネル名を引数に与える方が早いものです。

who

あるチャンネルに参加している人を全て表示します。

       /who #momonga
      

このようにチャンネル名を引数に与えるとそのチャンネルの参加者が、

       /who
      

と引数無しだと、自分の参加しているチャンネルの参加者が表示されます。

whois

そのサーバに繋いでいる人の情報を調べます。

       /whois momo
      

このようにニックネームを引数に与えます。 その人のニックネーム・IP アドレス・参加しているチャンネルなどが表示されます。

join

チャンネルに参加します。

       /join #momonga
      

このように、チャンネル名を引数に与えます。

topic

そのチャンネルのトピックを変更します。

       /topic 夕食何食べた?
      

このように、つけたいトピックを引数に与えます。

mode

mode にはチャンネルに対するものとユーザに対するものがあります。 ここではオペレータのみ実行可能なコマンドで、 チャンネルのモードを変更するものでよく使うものだけを述べます。 各モードのアルファベットの前に「+」をつけるとそのモードが追加され、 「-」をつけると解除されます。

o :

指定したニックネームに対し、そのチャンネルのオペレータ権限の追加および解除をします。

	  /mode #momonga +o momo
	 

このように、チャンネル名・(+,-)モード・ニックネームで指定します。

p :

このモードが追加されるとチャンネルがプライベートモードになり、 list や who に出力されなくなります。

	  /mode #momonga +p
	 
t :

このモードが追加されると、トピックの変更がオペレータにのみ許可されます。

	  /mode #momonga +t
	 
i :

このモードが追加されると、そのチャンネルには招待者以外は参加できなくなり、 オペレータ以外は他の人をチャンネルに招待できません。

	  /mode #momonga +i
	 
invite

自分が参加しているチャンネルに他の人を招待します。

       /invite #momonga fukuro
      

このように、チャンネル名・招待したいニックネームを引数に与えます。

dcc

指定したニックネームとファイルの受送信や一対一のチャットをします。 ファイル送信の場合は

       /dcc send nick filename
      

このように、send に続けてニックネーム・ファイル名を引数に与えます。 ファイル受信の場合は、

       /dcc get nick
      

このように、get に続けてニックネームを引数に与えます。

msg

指定したニックネームにプライベートメッセージ(ぷりぶ)を送ります。

       /msg nick Hello
      

このように、ニックネーム・メッセージを引数に与えます。

part

チャンネルから退出します。

       /part #momonga
      

このように、チャンネル名を引数に与えます。また、

       /part #momonga good-bye
      

このように、退出メッセージも引数に与えることができます。 こうすると他の参加者にその退出メッセージが表示されます。

quit

IRC サーバから切断します。コマンドのみか、

       /quit 寝ます。
      

このようにメッセージを引数に与えることもできます。

2.4. IRC でのマナー

チャンネルに参加したっきり無言というのも不気味ですから、 挨拶くらいはしましょう:)。 また、チャンネルにいわゆる bot [1] を常駐させる時は一言断わりを入れておきたいものです。

そのチャンネルに初めて来ていきなりオペレータ権限を要求されても、 あなたがどんな人なのか他の方には判断するすべがありません。 オペレータ権限は悪用しようと思えばできるものなので やたらとオペレータ権限を要求するのは好ましくないでしょう。



[1] たいへん大まかに言うと、ユーザとしてチャンネルに常駐させ 設置した人が不在時もログを取るなどができるツールです。